Like a minimalism. 本コラムでは、「もの/くらし」の紹介をとおして、シンプルライフためのアイデアをお届けします。
生きるためではなく、暮らすために、住まいを選ぶ。
便利なだけの道具も、おしゃれなだけの道具もいらない。暮らしを選ぶことで、家の中は、どんなにものが減っただろう。
しかし反対に、つい増やしてしまうものもある。
花だ。
散歩に出かけると、馴染みの花屋で花を買って帰りたくなる。
小さな中庭で育った花を、部屋の中でも楽しみたくなる。
たった一輪だけでも、「あの机に」「ベッドサイドに」と、つい考えてしまうのだ。
家で過ごす時間を、家にいない時間に想像するって、とても幸せなことだと感じる。それは自分のためだけの、ほんの小さな贅沢。シンプルな部屋だからこそ、自然のその色は、静かな鮮やかさで 時間を穏やかに彩ってくれるだろう。
さて、花を生けるには、容れ物が必要だ。
容れ物と一口に言っても色々とある。
ただ花を長持ちさせるためだけなら、はっきり言ってしまえばなんでもいい。普段使いのコップでだって生けられるし、ワインの空き瓶なんかがあれば十分すぎるくらいだろう。
だけど、それらの“ただの”容れ物を、私たちは愛せるだろうか。
「持たない暮らし」は、「選ばない暮らし」と同義ではない。「持たない」からこそ、私たちは「選ぶ」必要があるのではないだろうか。
花にも、自分にも栄養を与えるために。
この記事では、お気に入りのフラワーベースをもつことをおすすめしたい。
今回ご紹介したいのは、フィンランドで生まれた ittalla(イッタラ)のAlvar Aalto Collectionの花器、通称アアルトベース。1936年に発表されてから現在まで世界中で愛され続ける名品だ。
印象的なのは、その芸術的なフォルム。湖の形や白樺の木の断面をモチーフにしたと言われる有機的なデザインは、花を生けることに長けていて、背の高い植物でも、低い植物でも、曲線に沿わせるだけで簡単に美しく飾ることができる。
たとえば、百合。
存在感のある花なので、大抵 花瓶が負けてしまってバランスが悪くなってしまうけれど、アアルトベースなら良さを引き出しつつ引き立て合い、空間をつくることができる。
水を入れ、花をガラスの縁に寄り掛からせる。本当にシンプルなことだけれど、それだけで、部屋全体が しゃんと背筋を伸ばしたような気がする。
花を生けていないときの佇まいも良い。
自然物をモチーフとしたデザインがそうさせるのか、老舗ガラスメーカーならではの熟練の技術なのか、もの自体にオーラがあって、アートのように空間を引き締めてくれる。
部屋に花を絶やさないことはなかなか難しいから、ただの花器にお金を使うことを無駄だと感じる人もいるかもしれないけれど、アアルトベースならそんな心配はいらない。
暮らしの大切な要素として、常にそこに居てくれる花器。 フラワーベースとしてもオブジェとしても優れたアアルトベースは、ミニマルな暮らしにぴったりの存在だろう。
手入れのたび、ハイサイドライトから 分厚いガラスに優しく光が差し込む。
ただ光を見るよりも、すこし贅沢な陽射しの使い方。 季節の移ろいを感じながら、ゆったりとした時間を過ごすこともできそうだ。
花を飾る日も、飾らない日も。
なくても別に困らないんだけど、あったらちょっと嬉しくなる。そんなフラワーベースで、暮らしにさらに、奥行きを持たせてみたい。
・イッタラ – アルヴァ・アアルト コレクション ベース 160mm レイン
https://www.iittala.jp/products/detail.php?product_id=33
Like a minimalism. 本コラムでは、「もの/くらし」の紹介をとおして、シンプルライフためのアイデアをお届けします。
ものを持たない暮らしの ささやかな楽しみ
生きるためではなく、暮らすために、住まいを選ぶ。
便利なだけの道具も、おしゃれなだけの道具もいらない。暮らしを選ぶことで、家の中は、どんなにものが減っただろう。
しかし反対に、つい増やしてしまうものもある。
花だ。
散歩に出かけると、馴染みの花屋で花を買って帰りたくなる。
小さな中庭で育った花を、部屋の中でも楽しみたくなる。
たった一輪だけでも、「あの机に」「ベッドサイドに」と、つい考えてしまうのだ。
家で過ごす時間を、家にいない時間に想像するって、とても幸せなことだと感じる。それは自分のためだけの、ほんの小さな贅沢。シンプルな部屋だからこそ、自然のその色は、静かな鮮やかさで 時間を穏やかに彩ってくれるだろう。
花を生けるために、あったらより良いもの
さて、花を生けるには、容れ物が必要だ。
容れ物と一口に言っても色々とある。
ただ花を長持ちさせるためだけなら、はっきり言ってしまえばなんでもいい。普段使いのコップでだって生けられるし、ワインの空き瓶なんかがあれば十分すぎるくらいだろう。
だけど、それらの“ただの”容れ物を、私たちは愛せるだろうか。
「持たない暮らし」は、「選ばない暮らし」と同義ではない。「持たない」からこそ、私たちは「選ぶ」必要があるのではないだろうか。
花にも、自分にも栄養を与えるために。
この記事では、お気に入りのフラワーベースをもつことをおすすめしたい。
イッタラのアアルトベースとミニマルに暮らす
今回ご紹介したいのは、フィンランドで生まれた ittalla(イッタラ)のAlvar Aalto Collectionの花器、通称アアルトベース。1936年に発表されてから現在まで世界中で愛され続ける名品だ。
印象的なのは、その芸術的なフォルム。湖の形や白樺の木の断面をモチーフにしたと言われる有機的なデザインは、花を生けることに長けていて、背の高い植物でも、低い植物でも、曲線に沿わせるだけで簡単に美しく飾ることができる。
たとえば、百合。
存在感のある花なので、大抵 花瓶が負けてしまってバランスが悪くなってしまうけれど、アアルトベースなら良さを引き出しつつ引き立て合い、空間をつくることができる。
水を入れ、花をガラスの縁に寄り掛からせる。本当にシンプルなことだけれど、それだけで、部屋全体が しゃんと背筋を伸ばしたような気がする。
花を生けていないときの佇まいも良い。
自然物をモチーフとしたデザインがそうさせるのか、老舗ガラスメーカーならではの熟練の技術なのか、もの自体にオーラがあって、アートのように空間を引き締めてくれる。
部屋に花を絶やさないことはなかなか難しいから、ただの花器にお金を使うことを無駄だと感じる人もいるかもしれないけれど、アアルトベースならそんな心配はいらない。
暮らしの大切な要素として、常にそこに居てくれる花器。 フラワーベースとしてもオブジェとしても優れたアアルトベースは、ミニマルな暮らしにぴったりの存在だろう。
手入れのたび、ハイサイドライトから 分厚いガラスに優しく光が差し込む。
ただ光を見るよりも、すこし贅沢な陽射しの使い方。 季節の移ろいを感じながら、ゆったりとした時間を過ごすこともできそうだ。
花を飾る日も、飾らない日も。
なくても別に困らないんだけど、あったらちょっと嬉しくなる。そんなフラワーベースで、暮らしにさらに、奥行きを持たせてみたい。
・イッタラ – アルヴァ・アアルト コレクション ベース 160mm レイン
https://www.iittala.jp/products/detail.php?product_id=33